連載 妊産婦保健指導の実際・4
妊娠4カ月の指導
青木 康子
1
1日赤本部産院保健指導部
pp.16-23
発行日 1961年5月1日
Published Date 1961/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611202117
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◇栄養◇
妊産婦に限らず,栄養問題は国民全体の問題として,いろいろの面でしばしば登場しておりますが,食生活は人間が存在したと同時に行われており,長い習慣の上に成りたつているものであるため,その改善は論ぜられている割合にははかばかしくないようです.従つて,妊産婦の栄養について考える前に,先ず日本人の食生活についての正しい認識をもつことは,妊産婦を指導する助産婦として是非必要なことだと思います.それについて厚生省の国民栄養調査の資料から2,3の表をとりあげてみましたので検討して頂きたいと思います.
これらの表によつてもうかがえるように,日本人の食生活は,米麦,殊に白米にたよる傾向が強く,農山村では更にその度合は大きくなつているといわれております.まだまだ質より量の考えはぬけきれず,おなかさえ一杯になれば式の食生活が巾をきかせているわけです.肪肪などはそのよい例で,欧米人の1/10以下という有様です.良質の蛋白質,ビタミン類や無機質の不足も目立つことで,これらの不足による病気もかなり多く見出されております.
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