講座
妊娠中毒性肺水腫
関 闡
1
1都立荒川産院
pp.16-19
発行日 1960年7月1日
Published Date 1960/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201940
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新らしい生命の誕生に喜びを見出して働いているものにとつて，長い間診察を重ねやつと分娩となつて，妊婦に急に死なれたりするのは大きなシヨツクであります．人の命に関する仕事をうけもつ私達は，妊婦の生命に危険をおよぼす恐れのある疾患については，ことに細心の注意をはらうと共に，それについての十分な知識を持たねばなりません．
晩期妊娠中毒症にいろいろな病型のあることは，諸姉も既に十分承知しておられることと思いますが，重症なものとしては，妊娠腎，子癇，正常位胎盤早期剥離などがあげられるでしよう．しかしこれらのものと同じくあるいはそれ以上に重症なものに急性肺水腫というのがあります．本症は前にあげた3つのものに比べると数が少ないために諸姉が実際に遭遇されることは稀であるかもしれませんが，教科書などにもあまり書いてないようですから，一通り説明することにしましよう．
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