講座
腰の痛み—産婦人科
大村 ひさえ
pp.10-11
発行日 1955年1月1日
Published Date 1955/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200767
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腰が痛いといえば何か婦人科の病気があるのではないかと思われていたほどに腰痛と婦人科疾患とは密接な関係があるようになつている.事実腰痛は婦人科疾患に伴い易い1つの症状ではある.殊に子宮後屈症や慢性の附属器炎或は炎症後の癒着等のある場合には腰痛の訴えられることは多い.が然し真の腰痛は婦人科疾患に伴うよりも却つて外の病気の場合が多いようである.そして腰痛はまたその痛いという部位も痛いという程度も実に種々である.例えば腰仙部は限局された疼痛とか,或は腰仙部を中心にして放散する疼痛など,又痛む程度も痛いというよりもむしろ緊張感,重圧感或はダルイという感じが多く,従つて腰仙関係の附近の椎骨の両側を圧すと性感を感じる場合もある.しかし圧痛を訴える場合も当然ある.
茲に腰痛を起す主な原因を挙げるならば次のようである.
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