書評
西 信雄・川村 孝 訳/Milos Jenicek 著―EBM時代の症例報告
井村 洋
1
1飯塚病院総合診療科
pp.1238
発行日 2002年11月10日
Published Date 2002/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109933
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「EBM時代の症例報告」というタイトルから,EBMと症例報告を無理やり結びつけたEBM便乗本かもしれない,と反射的に感じてしまった.しかし,著者の経歴はあのEBM総本山のカナダMcMaster大学教授である.何かがありそうだ,という好奇心で本書を読みすすめるうちに,「エビデンスとは大規模臨床試験からのみ得られるものではない,症例報告によってしか得られないものもある」という事実を忘れていたことに気づいた.私のような読者が沢山いることを想定して,著者は全編を通してメッセージを送りつづけている.「臨床家ならば真剣な症例報告者であれ,エビデンスとなりうる症例報告を行え,その方法は本書に示してあるから心配するな」と.
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