書評
「臨床研究の教科書 第2版—研究デザインとデータ処理のポイント」—川村 孝【著】
岩田 健太郎
1
1神戸大学大学院医学研究科感染治療学
pp.1307
発行日 2020年11月1日
Published Date 2020/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1416201682
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ぼくは臨床研究そのものの専門家ではなく,臨床研究の専門家の知見から学び,研究をしている一医者にすぎない。車をつくったり直したりする能力はまるでないが,運転はしている次第。だから本書を上から「批評する」資格はなく,本書を活用してきた読者の1人として「これは一読の価値がありまっせ」とオススメすることしかできない。よって,書評ではなく推薦文である。
2016年に本書初版が出たときは,知人に勧められて買い求めた。内容もさることながら,文体が素晴らしいと思った。こういう比較が適切なのかは知らないが,しかし主観的にそう感じたので仕方がないから書くが,経済学者の森嶋通夫※の本を読むようなクリスピーな文体だった。本当にこの領域の世界内を熟知している人が,しかし冗長な説明はすべてそぎ落として要諦だけ読ませるような文体だ。今年,新しい第2版を読んでその意を新たにした。
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