Japanese
English
症例報告
リハビリテーション停滞状況における怒りの表出―「道を示せ」と怒った2例について
Expression of Anger in Situations where the Rehabilitation Progress is Stagnant. A Report of Two Cases Expressing Anger by the Phrase “Show Me the Way!”
先崎 章
1
,
市川 忠
2
,
高木 博史
3
,
里宇 明元
4
Akira Senzaki
1
,
Tadashi Ichikawa
2
,
Hiroshi Takagi
3
,
Meigen Liu
4
1埼玉県総合リハビリテーションセンター神経精神科
2埼玉県総合リハビリテーションセンター神経内科
3埼玉県総合リハビリテーションセンター整形外科
4埼玉県総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科
1Saitama Prefectural General Rehabilitation Center
キーワード:
リハビリテーション
,
解離
,
障害受容
,
攻撃
,
怒り
Keyword:
リハビリテーション
,
解離
,
障害受容
,
攻撃
,
怒り
pp.455-459
発行日 1997年5月10日
Published Date 1997/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552108378
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- サイト内被引用 Cited by
はじめに
入院によるリハビリテーション医療では,患者(障害者)は医療者と密接な関係を築かざるをえない1).そのようななかで,リハビリテーションの滞りに対する怒り,運命の不条理に対する怒りが,しばしば依存対象である医療者(医師,看護者,訓練士)に向けられる2).今回われわれは,身体訓練の停滞状況下,「道を示せ!」という依存的な攻撃が現れた2例を経験した.リハビリテーション医療における依存と攻撃という論点はもとより,患者役割と障害者役割3),障害の受容4),問題患者5),インフォームド・コンセントといった論点を考えるうえで示唆に富む対照的な2例であったので,ここに報告し,若干の考察を加えたい.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.