学会報告
第6回富山県リハビリテーション研究懇話会―1992年11月29日(日),於:富山県民会館
長尾 竜郎
1
1富山県高志リハビリテーション病院
pp.627-630
発行日 1993年7月10日
Published Date 1993/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552107411
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1.脳血管障害急性期リハビリテーション施行後の訪問指導
富山赤十字病院リハビリテーション科 塩井美紀
訪問指導実施のCVD69例を対象にコンプライアンスと予後の関係を検討し報告した.対象:年齢14~84(平均64.3±13.2)歳,男36名,女33名,入院期間71~490(平均216.5±96.7)日.感覚性失語,病態失認,痴呆の1項目以上(+)で理解力障害(以下,UD)(+),視力障害または半側無視(+)で注意力障害(以下,AD)(+)とし,介護力を判断,技術,関与に分けた.結果:移動能力はUD・AD(-)23例中3例,UD(-)・AD(+)7例中0,UD(+)・AD(-)21例中9,UD・AD(+)18例中9例が退院後↓.判断・技術・関与全(+)5例は維持,いずれか(-)の64例中21例で↓.6M↑フォローアップ46例中27例で6M時患側肩屈曲ROM↓,UD(-)・関与(+)4例中2例,UD(+)・関与(+)8例中5例でROM↓.判断(+)52例中34例,判断(-)17例中8例が社会資源利用(+).UD(-)3例,UD(+)7例(関与(-)5,判断(-)2例)で服薬コンプライアンス(-).結語:退院後の成績は,高次脳機能障害などによるUD・AD,介護者数のみでなく適切な判断・技術,患者の行動に対応できる関与が影響し,退院前の検討が重要である.
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