Japanese
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特集 関節リウマチ―最新の知見とリハビリテーション
クリティカルパスを用いた計画的治療
Planned cure using critical path.
福元 哲也
1
Tetsuya Fukumoto
1
1独立行政法人国立病院機構熊本医療センター整形外科
1Department of Orthopedics, National Hospital Organization Kumamoto Medical Center
キーワード:
クリティカルパス
,
連携クリティカルパス
,
人工膝関節置換術
Keyword:
クリティカルパス
,
連携クリティカルパス
,
人工膝関節置換術
pp.729-738
発行日 2004年8月10日
Published Date 2004/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100628
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はじめに
クリティカルパス(以下,パス)は元来,産業現場の工程管理において,製品をいかに効率的に製造するか,その手段を評価改善するシステムである.医療分野におけるパスは,医療の質の管理と至適化,経営の効率化を目的とした評価改善のシステムであり,医療計画の介入とアウトカム(達成目標)を時系列で記載した総合計画書である.それは,より良質で効率的な医療を行うために有用であるアウトカムマネージメント(アウトカムを決めて実施し,その結果をみて行程を改善する手法)の機能を持っており,計画的治療を行ううえで優れたツールである.
厚生労働省が平成13年にとりまとめた「医療制度改革試案」のなかで,①患者の選択の尊重と情報提供,②質の高い医療提供体制,③国民の安心のための基盤づくりが提示され,パスの普及促進を含む医療の透明化と情報の共有化が求められている.また,今後は定額払い方式が導入され,さらに経営の効率化が求められる.これらが,現在パスが必要とされる背景である.
国立病院機構熊本医療センター(以下,当院)では医療の質の向上をめざして,患者中心,患者参加型医療への取り組みとして,平成10年にパスを導入した.それにより在院日数の短縮と病院の活性化をもたらした.そこで今回,当院でのパスの導入方法と作成のポイントについて述べる.また,関節リウマチ患者のパス例としては人工膝関節置換術(以下,TKA)のパス作成を紹介する.最終到達目標(治療終了)まで一貫した治療を行うために作成した外来クリティカルパス(以下,外来パス)と連携クリティカルパス(以下,連携パス)についても紹介する.
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