連載 再考します 臨床の素朴な疑問・第7回
O脚は変形性膝関節症になりやすいか?
内田 茂博
1
Shigehiro UCHIDA
1
1広島国際大学総合リハビリテーション学部
pp.800-801
発行日 2021年7月15日
Published Date 2021/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202374
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変形性膝関節症(knee osteoarthritis:膝OA)は,40歳以上の中高齢者の発症頻度がきわめて高く,X線画像で診断できる本邦での有病者数は約2530万人と推定されている1).膝OAは年齢,性別,遺伝的特徴,ほかの系統因子などの素因と損傷,過負荷,不安定性などの力学的要因が関与して発症し,進行する多因子性疾患である2).
膝OA患者の身体アライメントに関して,本邦では内側型膝OA患者の罹患率が高いため内反膝変形を呈することが多く,立位時の異常姿勢(マルアライメント)として腰椎前彎の減少,骨盤後傾,股関節屈曲位,膝関節屈曲位・内反位などがある.骨盤後傾位の姿勢では,膝関節は内反しやすく膝関節内側の荷重圧が高まり3),さらに膝関節屈曲位では大腿膝蓋関節痛に影響することより4),身体アライメントの異常は膝OAの進行に影響する危険因子である.
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