特集 TENS
腰部脊柱管狭窄症術後の下肢残存症状に対するTENSの効果
竹内 雄一
1
,
星野 雅俊
2
Yuichi Takeuchi
1
1医療法人社団松下会白庭病院リハビリテーション科
2大阪市立大学大学院医学研究科整形外科
キーワード:
腰部脊柱管狭窄症術後
,
下肢残存症状
,
TENS
Keyword:
腰部脊柱管狭窄症術後
,
下肢残存症状
,
TENS
pp.267-271
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200501
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はじめに
腰部脊柱管狭窄症は,下肢の疼痛および痺れを主症状とする疾患として,超高齢社会にあるわが国においては臨床でみる機会が多い疾患である.2012年度の厚生労働省1)の調査では,65歳以上の高齢化率が26%に達し,2025年には30%を超えると推測されている.65歳以上の高齢者では腰痛・歩行障害を訴える頻度が高く,高齢社会の加速に伴い今後も腰部脊柱管狭窄症の割合が年々増加すると予測される.2011年発行の「腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン」2)では,不安定性のない腰部脊柱管狭窄症に対する手術治療(除圧術)は保存治療と比して短期成績も長期成績も有効であるとされ,高齢化社会の到来と重なって手術件数はますます増加している.手術成績はおおむね良好とされるが,その罹病期間や年齢,術前神経障害重症度と関係して,手術を施行したにもかかわらず下肢の疼痛および痺れ,歩行障害が残存することも少なくなく,患者の満足度を低下させることもしばし見受けられる.
本稿では,腰部脊柱管狭窄症の病態と治療に始まり,下肢残存症状の病態生理,われわれの行った腰部脊柱管狭窄症術後の下肢残存症状に対する経皮的電気刺激治療(transcutaneous electrical nerve stimulation:TENS)の効果についての前向き研究を文献的考察とともに紹介する.
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