1ページ講座 日本理学療法士学会・分科学会の紹介
日本予防理学療法学会
大渕 修一
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1日本予防理学療法学会
pp.1024
発行日 2015年11月15日
Published Date 2015/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200380
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●はじめに
社会が豊かになるに従い疾病が克服され,平均寿命は日本は男女とも80歳を超えるまでに長寿命化した.このような社会においては,もはや寿命の延長では満足できずに,健康寿命の延伸を求めるようになってきている.世界保健機関(World Health Organization:WHO)は健康を「病気でないとか,弱っていないということではなく,身体的にも,精神的にも,そして社会的にもすべてが満たされた状態にあること」としているが,社会は単に疾病や障害がないということではなく,どんな状態でも「参加」できることを求めているのではないかと考えるに至る.これを満足させるための予防はますます重要になる.
したがって理学療法学は,これまで蓄積・実践してきた障害学を一般化し,疾病や障害の発症予防,ヘルスプロモーションへと幅を広げていかなければいけない.折りしも,厚生労働省医政局は「理学療法士が,介護予防事業などにおいて,身体に障害のない者に対して,転倒防止の指導などの診療の補助に該当しない範囲の業務を行うことがあるが,このように理学療法以外の業務を行うときであっても,『理学療法士』という名称を使用することは何ら問題がないこと.また,このような診療の補助に該当しない範囲の業務を行うときは,医師の指示は不要であること」と全国に通知するなど,理学療法の領域拡大を支援している.
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