--------------------
読者の声
西岡 稔
pp.724
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106381
- 販売していません
- 文献概要
理学療法ジャーナル2013年4月号(特集:予防と理学療法)を読み,特に「産業保健領域における予防と理学療法」(高野賢一郎氏)の稿は,大変勉強になりました.私は,リハビリテーション科で理学療法部門の管理職を務める立場にあります.リハビリテーション科の職員がどうすれば成長し,患者さんによりよいリハビリテーションを提供できるかを考えるにあたり,職員が各々勉強してスキルを高めるだけでなく,各職員が高いスキルを発揮できる環境を整備することも大事であると考えていました.本稿を読み,その環境整備の一つに各職員が健康であること(腰痛やメタボリックシンンドローム,うつ病などにならないこと)という当たり前のことが大前提であると確信しました.私自身の経験でも,例えば自分が風邪気味の状態では,正直言ってモチベーションが上がりにくく,患者さんへ100%集中してリハビリテーションを提供することが難しいと感じます.
したがって,患者さんを治療する医療従事者が不健康であっては,質の高いリハビリテーションを提供することは難しいので,管理職にある人は,各職員へ腰痛,メタボリックシンドローム,うつ病といった身体面,生活習慣,メンタルヘルス等の広い範囲で,健康障害の予防と健康の保持増進を支援するスキルも必要なのではないかと考えます.一方で,各職員においても,自身の健康に対する意識を高め,健康管理を行っていく必要があると思いました.本稿を読み,産業保健分野の理学療法についてもっと詳しく勉強したいと強く感じました.
Copyright © 2013, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.