特集 理学療法に関わる整形外科の最新知見
脊椎外科と理学療法
金子 操
1
,
刈谷 裕成
1
,
星野 雄一
2
Kaneko Misao
1
1自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター
2自治医科大学附属病院整形外科
pp.75-80
発行日 2002年2月15日
Published Date 2002/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551105976
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古典的なインスツルメントを使用しない脊椎手術では,手術後患部の安定性が確認されるまで安静を保ち,起座・起立に際しては,強固な外固定を用いての離床が図られてきた.術後理学療法においては,ADLに支障をきたす廃用性筋萎縮,起立性調節障害,関節拘縮等を予防しつつ,いかに早期の社会復帰を達成させるかが課題であった.
20世紀後半,脊椎外科におけるインスツルメンテーションの進歩は,慢性関節リウマチ患者の環軸関節亜脱臼,外傷性の頸椎損傷,変性性脊椎不安定症,脊椎側湾症,腰椎分離すべり症など脊椎疾患の早期理学療法と入院期間短縮を可能にした.これは,手術直後,インスツルメントによる脊椎の良好な固定性を得られることが背景になっており,後療法としての理学療法にも少なからず影響を及ぼした.
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