1ページ講座 くすりの知識・7
循環器系に作用する薬・2 心疾患に用いるくすり(心臓に作用するくすり)
峯尾 喜好
1
1静岡市立静岡病院理学診療科
pp.511
発行日 1991年7月15日
Published Date 1991/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551103315
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近年,心臓病患者数の増加とリハビリテーション治療の改善により,心疾患を有する患者の理学療法を行なう機会がふえている.このような状況下では,循環器系の基本的な病態生理や運動生理学に関する知識のみならず,循環器系に作用する薬剤に関する基本的な知識も要求されつつある.今回は心臓に作用する薬物のうち,特に理学療法とかかわりがある狭心症,不整脈,心不全に対する薬物を,経口剤を中心に紹介する.
狭心症は心臓に酸素と栄養を供給する冠動脈の血流量が心筋の需要量に較べて低下して虚血状態になることで発現するが,冠動脈の器質的狭窄によるものとスパズム(攣縮)や緊張異常によるものとがある.さらに運動負荷量の増加に伴って発現する労作時狭心症と運動と関係無く発現する安静時狭心症に分類される.
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