検査データを考える
動脈血ガスデータの解析—特にHCO3-とPaCO2に関して
幸山 正
1
,
滝沢 始
1
1東京大学医学部呼吸器内科
pp.689-692
発行日 2002年7月1日
Published Date 2002/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543906248
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はじめに
われわれの身体は呼吸を通して体内へ酸素を取り入れ,体外へ二酸化炭素を排出しています(ガス交換).この働きが低下してしまうと血液中の酸素が減り二酸化炭素が蓄積していきます.その状態が続くと各臓器の障害が出現するため,治療が必要となるわけです.そのときのガス交換の状況を客観的に把握するために動脈血液ガスデータを検査することになります.血液は肺で得た酸素を各組織を循環しながら供給し,末梢組織での代謝を助けます.代謝の過程で得た二酸化炭素をのせた血液は静脈血として右心房へと戻り,肺胞で二酸化炭素を捨て,大気中の酸素を受け取り,再び体循環へと戻っていきます.よって動脈血酸素ガスデータから患者さんの呼吸や代謝の状態を把握することができるのです.
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