豆知識
染色液と公害
pp.712
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543905867
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病理検査室で用いられる溶液のなかには,有害とされるものが少なくない.ギル(Gill)のヘマトキシリンの塩化第二水銀をはじめ,各種染色に用いられる硝酸銀,劇薬として位置付けられるアンモニア,塩酸,硝酸など数え上げるときりがない.
ホルマリン液でさえも浄化せずに下水へ流すと,目,鼻の粘膜を刺激する異臭騒ぎを引き起こしかねない.また,脱灰液中のギ酸や,硝酸などは,金属腐食性を有することから下水パイプを腐食する可能性がある.環境問題を配慮し,自施設で中和する(できる限り,水に近い状態に戻す)ための処理を行う病院・企業も増え,また回収業者に委託をするようになってきている.まずは,危険とされる試薬(液)の成分を的確に把握し,その廃液処理のマニュアルを作成するなどして,職員全員が,自覚することが大切である.
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