増刊号 緊急検査実践マニュアル
各論
1.生化学検査
1)血液ガス 臨床編
鵜飼 勲
1
,
渋谷 正徳
1
1松戸市立病院救急部
pp.679-681
発行日 1999年6月15日
Published Date 1999/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903820
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検査の意義と目的
血液ガス測定の第一義的な目的は,動脈血中の酸素分圧(PaO2)と二酸化炭素分圧(PaCO2)を測定して,呼吸状態の評価を行うことである.吸入気酸素濃度(FIO2)の入力で算出される肺胞気酸素分圧(PAO2)から,肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)やrespiratory index(PaO2/PAO2),oxygenation index(PaO2/FIO2)を求めれば,より詳細な病態の把握が可能となる.また血液ガス測定では,pHとヘモグロビン量(tHb)の測定から,動脈血酸素飽和度(SaO2)や重炭酸イオン濃度(HCO3-),base excess(BE)が同時に算出されるため,酸塩基平衡障害の評価が可能である.さらに,肺動脈や内頸静脈より採血し,混合静脈血酸素飽和度(SvO2),内頸静脈酸素飽和度(SjvO2)を測定すると,組織における酸素需給の状態も判断できる.
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