技術講座 免疫
癌診断における腫瘍マーカーの感度と特異度の考えかた
高木 康
1
1昭和大学医学部臨床病理学教室
pp.33-37
発行日 1999年1月1日
Published Date 1999/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903691
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新しい知見
健全な医療のための効率的な検査の利用が叫ばれて久しい.腫瘍マーカーについても,スクリーニング検査としての保険適用がはずれ,その使用・利用法が模索されている.腫瘍マーカーの臨床評価は感度と特異度,あるいは診断効率により行われるが,これらを決定するカットオフ値の設定にあたってはROC曲線が有用である.ROC曲線はまた検査間の優劣を論じる際にも用いられている.最近はこれらに加えて,陽性予測値(腫瘍マーカーが陽性であった場合に腫瘍が存在する確率)が医療現場で重要視され,有病率と関連づけることによる効率的医療が実践され始めている.
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