トピックス
救急処置のABC
野田 聖一
1
,
湯浅 英樹
1
,
明石 勝也
1
1聖マリアンナ医科大学救命救急センター
pp.1014-1016
発行日 1998年10月1日
Published Date 1998/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903640
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はじめに
救急蘇生法とは,生死にかかわる重篤な傷病者を救命するために行われる手当や処置であり,心肺蘇生法(cardio-pulmonary resuscitation;CPR)と止血法が含まれる.心肺蘇生法は,1961年にSafarが心肺停止では呼気吹き込み人工呼吸と胸骨圧迫心臓マッサージの組み合わせが有用であることを提唱した1)ことに始まり,その手技と理論は幾多の変遷を経て今日に至っている.すなわち,傷病者が呼吸停止,心停止,もしくはこれに近い状態に陥ったとき,人工的操作や処置を行って呼吸や循環を補助し,蘇生を図ることである.心肺蘇生法には,表に示すように気道確保から集中治療までが含まれるが,医療器具や救急医薬品を用いることなく,一般市民が行うことのできる基本的な救命処置を一次救命処置(basic life support;BSL)といい,一次救命処置を含めて医師,または看護婦や救急救命士が医師の指導下に,医療器具や救急医薬品などを用いて行う高度な救命処置を二次救命処置(advanced life support;ALS)という.
本稿では,基本的な救命処置を中心に,心肺蘇生法の意義と現況,実際について述べたい.
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