増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅹ.技術講座
1.染色のコツ 4)酵素免疫染色
田中 美智男
1
1国立大阪病院臨床検査科
pp.300
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902807
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特異抗体を用いる染色(免疫学的染色法)は,検体に存在する特定の病原微生物(抗原)を迅速に検出できることから,感染症の診断に有用な検査法である.免疫学的染色法はChlamydiaやウイルスなど,グラム染色や通常の培養検査ではつかまえることのできない微生物の検出に応用されており,方法別に酵素抗体法と蛍光抗体法に大きく分類される.
酵素抗体法は抗原に対する特異抗体を反応させる際,あらかじめ抗体に酵素を標識しておくことにより,生成した抗原抗体複合物の量に対応した酵素と基質を反応させて発色させるものである.通常の光学顕微鏡で観察できるが,個々の細胞について細かく感染の有無を判定するのは困難である.そのため酵素抗体法は炎症細胞を含む検体や病理組織標本などに主として適用される.酵素抗体法の種類について表1に示した.また,染色法の例として免疫ペルオキシダーゼ法(間接法)を表2に示した.
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