増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅵ.感染症とその検査法
1.呼吸器感染症 4)結核と非定型抗酸菌症
斎藤 肇
1
1国立多摩研究所
pp.95-100
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902750
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はじめに
先進工業諸国における結核は年とともに順調に減少し,もはや過去の疾患として人々の関心は薄らぎ,軽視されがちであったが,近年になってその鈍化あるいは増加傾向すらみられるようになり,その一因としてHIV感染との相関が明らかにされている.さらに,とりわけ米国において,AIDS患者における多剤耐性結核菌の出現あるいはそれによる結核の集団発生やMycobacterium avium complex(MAC)による日和見感染は極めて重要な問題として学界の関心を集めているところである.
上述したような背景に立って結核ならびに非定型(非結核性)抗酸菌症にまつわる諸問題,とりわけこれらの感染症の細菌学的検査法を取り上げ,その現状と問題点について解説したい.なお,誌面が限られているため,検査操作法の詳細については原著を参照されたい.
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