増刊号 尿検査法
II.各論
6.電解質
(3)重炭酸イオン
高橋 修
1
,
久保野 勝男
1
1株式会社エスアールエル臨床化学部
pp.114-115
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901088
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はじめに
生体の体重の約60%は体液であって,そのうち2/3が細胞内液に,約1/3が細胞外液に分布する.さらに細胞外液は,血漿,間質液,経細胞液(消化管液,胸水・腹水,髄液)とに分類される.体液組織は,図に示すごとくであって,細胞外液の主体はNa+,Cl-,HCO3-で,また細胞内液の主体はK+,リンである1).
生体内では,多くの緩衝系(重炭酸系,血色素系,血漿蛋白系およびリン酸系)が平衡状態にありpHが維持されている.なかでも生理学的に重炭酸系がもっとも重要である.
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