検査ファイル
用語●リエントリー
奥村 謙
1
1熊本大学医学部循環器内科
pp.476-478
発行日 1991年5月1日
Published Date 1991/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900612
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
不整脈は徐脈性不整脈と頻脈性不整脈に分類される.頻脈性不整脈には,正常心拍の中に1〜2個割り込むようにして生じる期外収縮,期外収縮が3個以上連発するか,または持続する頻拍症,頻拍症の中でも特にレートの速い粗動,そして,まったく不規則な不整脈である細動が含まれる.これらの頻脈性不整脈の発症機序として,①異常自動能の亢進,②triggered activity,③リエントリーが実験的に示されている.臨床例においては期外収縮の多くがリエントリー,一部が異常自動能またはtriggered activityにより生じ,また頻拍症の多くはリエントリーによると考えられている.リエントリーの概念を理解することは,頻脈性不整脈の発症機序についてのみでなく,治療法を検討するうえでも極めて重要である.
Copyright © 1991, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.