マスターしよう検査技術
微量液体希釈法によるMIC測定
辻 明良
1
1東邦大学医学部微生物学教室
pp.983-988
発行日 1990年6月1日
Published Date 1990/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900295
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感染症の原因菌に対する適切な抗菌薬を選択するために,薬剤感受性検査は欠かすことのできない検査である.日常の検査室で広く用いられているのは感受性ディスク法であるが,近年,迅速化,省力化を目標に,しかも定量的に最小発育阻止濃度(MIC)を求める自動機器が普及し始めている.
MIC測定法には寒天平板希釈法と液体(培地)希釈法があり,日本化学療法学会では1968年に寒天平板希釈法の標準法が設定され,その後改訂がなされている.しかしながら欧米諸国では,液体希釈法による測定が主流になり,微量液体希釈法が広く採用されている1).培地が少量で,同時に多数の薬剤が検討でき,最小殺菌濃度(MBC)の測定も可能であるためである.日本においても,その標準化の検討がなされている2).
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