増大号 匠から学ぶ 血栓止血検査ガイド
2章 検査前プロセス
凝固検体の保管
家子 正裕
1
1札幌保健医療大学保健医療学部看護学科
キーワード:
サンプルの劣化
,
F1+2
,
cold activation
,
保管時間
Keyword:
サンプルの劣化
,
F1+2
,
cold activation
,
保管時間
pp.925-928
発行日 2023年9月1日
Published Date 2023/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209081
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はじめに
凝固時間検査は止血機能異常症における診断や治療効果の判定などに必須であり,正確な検査結果が求められる.しかし,凝固時間検査は再現性に乏しく,またさまざまなピットフォールが存在する.その1つがサンプルの劣化である.いかに測定試薬の標準化が行われていても,劣化したサンプルを用いた測定では結果が真の値とは異なり,偽陽性や偽陰性が生じることも少なくない.
採血後の全血サンプルおよび遠心分離処理後の血漿サンプルにおいて,それぞれの保存温度や保管時間などの保管条件によってサンプルの劣化を招くことがあり,それが誤診や治療結果の誤判断を招くことも少なくない.本稿では,全血サンプルおよび血漿サンプルの保管に伴うピットフォールとその対策について解説したい.
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