FOCUS
小児の心臓超音波検査(心エコー)
槇田 喜之
1
1北里大学病院臨床検査部超音波検査室
pp.1146-1151
発行日 2022年10月1日
Published Date 2022/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208797
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はじめに
小児における心臓超音波検査(心エコー)の対象は,心房中隔欠損症(atrial septal defect:ASD)や心室中隔欠損症(ventricular septal defect:VSD)などに代表される先天性心疾患の診断と評価,川崎病(Kawasaki disease:KD)に代表される後天性心疾患の診断と評価である.先天性心疾患は,軽症の疾患まで含めると新生児の約1%に発生するといわれ,厚生労働省が公表した人口動態統計速報(令和3年12月分)1)での2021年に生まれた子どもは約84万人であり,わが国では年間約8,400人の先天性心疾患をもつ患児が生まれている計算となる.また,病型別頻度では,VSD,ASDの順で多く,この左右短絡疾患で全体の約40%を占める2).一方,小児期発症の後天性心疾患のうち,最も多いのはKDである.本稿では,先天性心疾患のASDとVSD,後天性心疾患のKDについて述べる.
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