書評
ウォームアップ微生物学
錫谷 達夫
1
1福島医大・微生物学
pp.841
発行日 2022年8月1日
Published Date 2022/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208769
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微生物学を理解するためのツボが丁寧に書かれた良書
日頃,一部の医学生や医師から「微生物学は覚えることばかりでキライ!」といわれる.さまざまな微生物がオムニバス形式で登場する微生物学の全体像や考え方,そして何より微生物対ヒトの生存をかけた戦いの面白さをどのように伝えればよいのか,悩みは尽きない.その1つの対策として,短時間で一気に読み終えられる看護学校向けの微生物学の教科書を1〜2度通読してから講義を受けるよう医学生には勧めている.そうすることによって個々の微生物間の共通点や特異点が明確となり,体系立てて微生物学が理解できるようになるからである.
この目的に合う本を,教科書の定番『標準微生物学』の編集者であった中込治博士が出版されたことを知り,早速,手に取った.本の帯には「分厚い教科書を読む前に!」という見出しと,(1)本格的な病原微生物学の講義を受ける前の医療系学生,(2)細菌やウイルスのきちんとした知識を身につけたい一般の方,(3)微生物や免疫細胞たちを愛してやまない方におススメする,とある.まさに私が探し求めていた微生物学の副読本ではないか! 早速1日で一気に読み通した.
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