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急性腹症の超音波検査
中村 元哉
1
1静岡県立総合病院放射線技術室
pp.1145-1147
発行日 2020年10月1日
Published Date 2020/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208152
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急性腹症における超音波検査の役割
急性腹症とは,急激に発症した腹痛のなかで緊急手術を含む迅速な処置,治療を要する腹部疾患のことを指す.超音波検査はプライマリ診療から三次救急まで幅広く使用される画像診断であり,その疾患が緊急手術やIVR(interventional radiology)を行う必要があるのか鑑別するために必要な検査の1つである1).
高次救急病院になるに従って,ベッドサイドで医師によって行われるFAST(focused assessment with sonography for trauma)やPOCUS(point of care ultrasound)からそのままCTなどの放射線検査が行われることが多く,系統的に高精度な検査のできるソノグラファーが携わることは少なくなってしまう.しかし,単純CTと比較すると超音波検査から得られる情報量は圧倒的に多く,放射線検査へのアクセスの敷居が高いプライマリ診療や小児診療においてはソノグラファーの力が発揮される場面は多い.
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