書評
よくわかる血液内科
山中 克郎
1
1諏訪中央病院総合内科
pp.1250
発行日 2018年11月1日
Published Date 2018/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207398
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内科医に必要な最新知識と初期対応をわかりやすく解説
本書を手に取りすぐに目に入るのは,血球細胞の大きくてきれいな写真とわかりやすく病態を説明するカラーイラストである.例えば,寒冷凝集素症と温式自己免疫性溶血性貧血の発症機序の違いは,イラストを見ると容易に理解ができ,それぞれが血管内溶血と血管外溶血を起こす理由も明らかとなる.そして,続発性免疫性溶血性貧血を起こすSLEや非Hodgkinリンパ腫,感染症(EBウイルス,パルボウイルスB19,マイコプラズマ)などの基礎疾患を検索することの重要性が説明される.
血液内科は特殊な領域である.急性白血病に対する化学療法は誰でもすぐに行えるような分野ではなく,抗がん剤の副作用とその対処に対する十分な知識,長年の経験が必要だ.私も血液内科医として働いた時期がある.極度の免疫不全状態にある造血器腫瘍の患者はすぐに全身状態が悪化する.専門性が高い疾患を扱うためか,血液内科病棟はやや閉鎖的で他科の医師との交流も少なかった.
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