臨床医からの質問に答える
細胞診の依頼書には,どんな臨床情報を書いておくとよいですか.
加藤 隆
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1JA北海道厚生連札幌厚生病院医療技術部臨床検査技術科
pp.475-479
発行日 2018年4月1日
Published Date 2018/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207183
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細胞診とは
細胞診は,形態学的な検査・診断方法の1つであり,生体から剝離した細胞や穿刺吸引した細胞を観察し,腫瘍の有無,良・悪性,組織型,浸潤の程度,治療効果などについて判定を行うものです.細胞診の結果によって手術の適否や治療方針が決定される場合もあり,重要な検査となります.顕微鏡下で細胞診標本を観察する際には,患者情報(年齢・性別),採取部位・採取方法,臨床診断(各種検査データ,画像所見),臨床経過(既往歴),検査目的など全ての情報を念頭に置き,細胞形態をもとに鑑別すべき疾患を除外しながら診断します.
よってそれらの基本的情報が伝わっていないと,細胞学的診断に重大な誤診や支障を生じる可能性が少なからずあります.正確で迅速な細胞診断を行うには,臨床医の協力が不可欠です.適正な細胞診検体の取り扱いや必要十分な臨床情報の提供および病理・臨床間の円滑な連携が,正確な細胞診断には非常に重要です.
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