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抗HIV薬による尿管結石
鶴見 寿
1,2
1岐阜大学医学部附属病院血液内科
2岐阜大学医学部附属病院エイズ対策推進センター
pp.342-343
発行日 2016年4月1日
Published Date 2016/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206410
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はじめに
HIV(human immunodeficiency virus)感染症の治療は,この10年の間に格段に進歩し,核酸系逆転写酵素阻害剤をベースにプロテアーゼ阻害剤,インテグラーゼ阻害剤,非核酸系逆転写酵素阻害剤などのkey drugを組み合わせて投与される.それぞれ特徴的な副作用があるが,プロテアーゼ阻害剤の副作用には尿管結石がある.特に尿管結石の頻度が高いプロテアーゼ阻害剤としては,インジナビル(クリキシバン®)とアタザナビル(レイアタッツ®)があるが,前者は1日の服薬数が多く,さらに尿管結石予防のため1日1.5L以上の飲水が必要なため内服継続が困難であり,現在では使用されない.本稿では,主としてアタザナビルによる尿管結石に関して述べる.
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