臨床医からの質問に答える
尿沈渣検査にフローサイトメトリーが応用されていると聞きましたが,どの程度進んでいるのですか?
油野 友二
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1北陸大学新学部設置準備室
pp.802-807
発行日 2015年9月1日
Published Date 2015/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206030
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フローサイトメトリー(FCM)とは
サイトメトリーとは,試料中の成分を数秒から数分という短時間に光や蛍光色素などを利用して1個ずつかつ多量に測定する方法であり,その測定装置をサイトメーターと呼んでいる.この方法は,短時間に多くの細胞数を測定し,同一条件での反復測定ができ,目的とする成分集団によるクラスター分析が可能などの特徴がある.クラスター分析とは,異なる性質のものが混ざり合っている集団のなかから互いに似たものを集めて集落を作り,対象を分類しようという方法の総称である.
サイトメトリーにもいくつかの方法があるが,そのなかの1つがフローサイトメトリー(flow cytometry:FCM)法である.FCM法は,懸濁させた試料を,リン酸生理食塩水などによる液流(シース流)を用いて,その中の細胞を1個ずつセンサーによる測定部位に導き,高速で散乱光と蛍光などを測定する方法である(図1)1).
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