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解答と解説
pp.729
発行日 2015年8月1日
Published Date 2015/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543206005
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アレルギーは抗原に対する過敏で有害な生体防御反応であり,4つに分類される.Ⅰ型は,抗原によって産生されたIgEが肥満細胞のFcレセプターと結合,これに抗原が架橋することで化学伝達物質を放出し,アナフィラキシー型のアレルギーを起こす.気管支喘息,花粉症が含まれる.ハチや薬物などによるアレルギーも,IgE依存するアナフィラキシー型である.Ⅱ型は細胞障害型で,IgG,IgMが反応,補体が活性化され,細胞を融解する特発性血小板減少性紫斑病,重症筋無力症,自己免疫性溶血性貧血,新生児溶血性貧血などがある.バセドウ(Basedow)病は甲状腺刺激ホルモン(thyroid-stimulating hormone:TSH)受容体に対する自己抗体が生じ,受容体を刺激して過剰なホルモン分泌するV型に分類されるが,本質的にはⅡ型と同じである.Ⅲ型は,抗原抗体反応によって産生した免疫複合体が組織に沈着し,補体や好中球を活性化して組織を傷害する.DNA−抗DNA抗体の複合体が沈着するループス腎炎(糸球体腎炎)が代表的である.Ⅳ型は,抗原とリンパ球T細胞が反応する遅延アレルギーで,炎症性サイトカインが分泌される.ツベルクリン反応,接触性皮膚炎,ハンセン病やサルコイドーシスの類上皮細胞性肉芽腫病変がある.
他に,輸血や移植の移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)もⅣ型に分類される.
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