連載 小児の臨床検査・11
小児の生理機能検査─循環器疾患編
中村 昭宏
1
,
堀米 仁志
1
1筑波大学附属病院小児科
pp.128-134
発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543205829
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はじめに
小児期の循環器疾患は先天性心疾患が最も多く,不整脈,心筋疾患,弁膜疾患などがこれに続く.虚血性心疾患は川崎病による冠動脈瘤に起因するものが多く,まれに先天性冠動脈奇形がみられる.不整脈は成人期と同様にさまざまな頻脈性,徐脈性不整脈がみられるが,その頻度はやや異なる.近年の分子生物学の進歩によって,先天性QT延長症候群に代表される遺伝性不整脈診断の重要性が増している.心房細動は非常に少ない.これらの循環器疾患の診断において最も重要な生理検査は,心電図と心エコー検査である.
本稿では標準12誘導心電図,Holter 24時間心電図,運動負荷心電図について,小児の特徴を中心に解説する.成人との共通点が多い不整脈診断,および心エコー検査は紙面の都合によって省略する.
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