検査ファイル
イオン化カルシウム測定時の低濃度ヘパリン採血法
多田 三男
1
1埼玉県立がんセンター臨床検査部
pp.73
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901785
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体内におけるイオン化カルシウム(Ca2+)は,筋収縮,血液凝固,神経伝達,ホルモン刺激など,極めて多くの重要な機能を有している.最近では手術中のモニタリングとして,血液ガス分析と同様に欠かせない項目となっている.そのため小量の全血で血液ガス・電解質の同時測定装置が普及している.特にイオン選択電極1,2)の進歩の中でCa2+が全血で簡単かつ迅速に測定できるようになったことは,大変便利である.しかし,全血採血に用いられるヘパリンがCa2+値を低下させることも指摘されている.その改善には,通常使用される血液ガス分析用採血シリンジのヘパリン濃度よりも,さらに低濃度ヘパリン採血シリンジを用いることで,その影響を最少限に抑えることができる.
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