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第37回日本臨床衛生検査学会の国内学会から引き続き,第18回国際医学検査(IAMLT)学会が7月17〜22日,異国情緒豊かな神戸市で開催された.1984年,オーストラリア,パース市での第16回学会総会で正式に日本での開催に関する契約書に署名した当時の日本臨床衛生検査技師会長・故藤沢武吉氏は,帰国後,感激のあまり署名するとき手が震えてならなかったと感想をもらしていたことが思い出される.東洋で初めてのIAMLT学会が開催されたわけだが,18日に行われた開会式とオープニングレセプションに皇太子殿下,同妃殿下がご臨席され,真近にお目にかかれて感激した.皇太子殿下,同妃殿下が開会式およびオープニングレセプションにご臨席なされることはきわめてまれなことであるとの日臨技役員の言葉が印象的であった.
さて,IAMLT・日臨技事務局の発表によると,参加国は日本を含めて41か国,2地域(台湾,ホンコン)で,参加人数は日本1170名,外国481名,総計1651名とのことである.学会は三つの柱から成っており,それぞれ学術プログラム,社交プログラム,商品展示会である.学術プログラムは基調講演として「生命科学の進歩と人間愛(性)」と題して中村桂子博士(三菱化成生命科学研究所)が「人間は地球の番人である」と訴え,開始された.また,特別講演は3題企画されており「AIDS」と題してエイズの世界的権威者であるジェームズ・アレン博士(米国,CDC疫学部長),「腫瘍の臨床検査診断」と題して日本臨床病理学会会長・河合忠博士(自治医大教授)が講演された.2題とも現在,臨床検査に従事している者にとって,もっとも興味ある分野である.また,「世界の風土病」と題して司馬薫蘭博士(中国,WHO西太平洋事務局)が講演された.交通機関の発達した現在,世界各地に散在する風土病はいつ日本に入ってくるかもしれない.一般演題は抄録集によると,口演発表,172題(日本:79,外国:93),ポスター発表156題(日本:94,外国:62)で総論328題がエントリーされていた.各分野の内訳を表に示した.
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