感染症の検査法 わだい
感染性心内膜炎と心エコー検査
小川 聡
1
1慶応義塾大学病院中央臨床検査部
pp.628
発行日 1989年5月15日
Published Date 1989/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204997
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心エコー図法は,感染性心内膜炎(以下IEと略)において弁膜,腱索,心内膜などに付着した疣贅(vegetation)を診断するもっとも優れた方法とされている.疣贅は細菌に富む脆弱な構造を有し腫瘤状エコーとして認識されるが,心エコー図ではさらに疣贅による弁組織の破壊,腱索断裂,弁輪膿瘍などの合併症の診断も容易であり,また繰り返し施行できることによりIEの治療経過についても評価が可能である.弁の破壊が進行すると弁逆流を生ずるようになり,重症な場合にはこのため心不全を合併し外科的処置(弁置換術)を必要とするが,この場合でも心エコー図により得られた情報のみで行われることが多い.
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