検査ファイル 用語
SLX(シアリルLex-i抗原)
大倉 久直
1
1国立がんセンター病院臨床検査部
pp.186-187
発行日 1989年2月1日
Published Date 1989/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543204870
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はじめに
SLX(シアリルLex-i抗原)とは,[-Galβ1→4Glc NAcβ-]の繰り返し構造を2回と末端にシアル酸[NeuNAc],側鎖にフコース[Fucα]を一つずつ持った2型糖鎖に属する糖鎖抗原である(図1).正常な胚細胞の分裂の初期から胎生のある時期まで作られている胎児性抗原stage-specific embryonic antigen(SSEA-1)や,ルイスX抗原と構造がよく似ており,シアリルSSEA-1とも呼ばれる1).箱守らの作ったマウスモノクローナル抗体(FH-6)によって認識され,肺腺癌,膵臓癌,卵巣癌などの腺癌の組織と患者の血清中に存在する新しい腫瘍マーカーである.
最近,大塚アッセイ研究所から固相2ステップRIA法による測定試薬キットSLX「オーツカ」が発売され,健康保険も適用されて日常の臨床検査が可能となった2).
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