コーヒーブレイク
がんの比較疫学
Y.U.
pp.668
発行日 1986年5月1日
Published Date 1986/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203726
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最近,胃癌が減少し,肺癌が増加しているといわれる.しかし,男女とも依然として胃癌ががんの中ではいちばん頻度が高い.東大の剖検例でみると,男では胃癌の頻度は18世紀の末から19世紀初頭には全がんのほぼ40%を占めていた,女でも,30%前後と高かった.その後は減少し,1960年以降は男では17%,女では14%前後である.
最近の14年間のハワイのクワキニ病院の日本人の剖検例を東大のそれと比較すると,ハワイの男では肺癌と胃癌の順位が逆転している.肺癌の増加は統計学的にも有意である(ρ<0.02).女の胃癌,肺癌については東大のそれと大差がない.男女とも直腸癌の頻度は両者で差はないが,大腸(結腸,盲腸)のそれはハワイの日本人では倍増している(ρ<0.001).
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