技術講座 生理
アナログデータの読み方2—心電図波形の解釈とアーチファクト
谷川 直
1
,
小沢 友紀雄
1
1日本大学第2内科
pp.1005-1009
発行日 1985年11月1日
Published Date 1985/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203493
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心電図は臨床生理検査部門の中で,現在最も基本的な検査だと思います.小さな個人病院から大学病院まで,臨床検査技師の働く病院で,心電図を扱わないことはないといっても過言ではないでしょう.
心電図は近年増加しつつある心筋梗塞,狭心症など虚血性心疾患の診断には不可欠ですし,脈の乱れという言葉に代表される不整脈も,心電図なくしては語れません.一方,心房や心室の中隔に先天的に欠損があるとか,後天的に弁や心筋の変性が起こる場合などでは,結果として起きてくる心房や心室の拡張,肥大などから疾患を想像するより,しかたがありません.すなわち,心臓疾患の病理,解剖,心機能を必ずしも表現しているわけではないことを承知してください.
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