アーチファクト
寄生虫—蟯虫卵
加島 準子
1
1東京都予防医学協会研究検査科
pp.227
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543203285
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蟯虫卵の検査はセロファンテープによる肛門周囲検査法であるが,糞便や尿沈渣中に検出されることもある.虫卵は産卵後6〜7時間で卵殻内に幼虫を形成するので,通常,セロファンテープでは写真1のような虫卵が見られる.強拡大(400倍)で虫卵内の幼虫の動きが確認できる.
写真2は古くなった蟯虫卵である.虫卵採取後,日時がたったものは,乾燥して卵内容が見えなくなり,写真中央のように卵殼だけが見える.蟯虫卵は無色で,時にはセロファンテープ上に1個しか検出できない場合もあり,このような虫卵の検査には注意を要する.また,周りの虫卵のように気泡の中に入ってしまうと見にくく,見落としやすい.
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