知っておきたい検査機器
OLYMPUS model AES 200
大竹 皓子
1
,
加野 象次郎
1
1慶応義塾大学病院中央臨床検査部
pp.757-762
発行日 1982年8月1日
Published Date 1982/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202570
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
電気泳動学会によって,セルロースアセテート膜(以下CA膜)電気泳動法による血清蛋白分画定量法の標準化がなされたのは,1965年のことであるが,それ以来,この検査は著しく普及し,現在の日常分析の中では,プライマリースクリーニング検査とさえなりつつある.これまでのこの検査は,CA膜への血清の塗布,電気泳動,蛋白染色・脱色,乾燥,デンシトメトリーなどの操作をすべて個々に用手法で行うものであり,その技術は比較的熟練を要し,分析誤差も大きいものであった.
ところが,1978年にこれらの一連の煩雑な操作をほぼ完全に自動化した分析機がオリンパス光学工業(株)によって開発され,AES(Automatedelecrrophoresis system)として登場した.すでによく知られているように,この装置は,CA膜のセットから始まる上述の蛋白分画の一連のステップを,電気泳動学会の標準操作法にほぼ準拠して処理するものである.各ステップが自動化されたことにより,分析精度は向上し,データ処理の点でもコンピュータとの接続が可能であることから,省力化にも連なることになった.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.