検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
脂質染色の理論
高橋 潔
1
1福島県立医科大学病理学第一講座
pp.463-468
発行日 1980年6月1日
Published Date 1980/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202068
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
生体内に広く存在する脂質は単純脂質(脂肪酸と各種アルコールのエステル),複合脂質(アルコールと脂肪酸に加えて,更に他の化学基を含む脂肪酸エステル),誘導脂質(脂質の加水分解産物)に分けられる.単純脂質には脂肪(グリセロールの脂肪酸エステル)と蠟(ステロールの脂肪酸エステル)があり,グリセリド,コレステロール及びコレステロールエステルなどは荷電しないので中性脂質と称される.複合脂質にはリン脂質,糖脂質,硫脂質(サルファチッド),アミノ脂質やリポ蛋白が含まれる.これら脂質の証明法には一般脂質証明法と各種脂質の分離証明法とがあり,また脂質の物理化学的性状を利用する脂質証明法と各種脂質の化学構造ないし特有の化学基を目標とし,それらの何らかの方法で証明しようとする方法とがある.以下これらの方法の原理を中心に述べる.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.