技術講座 生化学
臨床検査の"ものさし"について—"ものさし"は生きている
大場 操児
1
1独協医大病院中検
pp.58-59
発行日 1974年1月1日
Published Date 1974/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200350
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同一物を地球上の緯度の異なる点で秤量すると,計測値に差がある.赤道上で6.8kgの物が同一のバネ秤りを用い北極で秤量すると7.25kgを示し,見かけより0.45kg重く測定される事実がある.しかし物体の実質の量は場所や高さで変わることはなく,これを質量と呼んで重量と区別して用いている.物理学は重量は物体が地球に引かれる力で,地球上の異なる場所では同一物に及ぼす引力に差があると説明している.
この質量の基本として合金のキログラム原器がパリ郊外の国際度量衡局に保管され,日本には6番めの副原器があることは知るところである.このように質量の基準としてキログラム原器を作り,世界中で正しく一致した質量を得るための約束がなされている.
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