Laboratory Practice 〈輸血〉
ヒトパルボウイルスB19の遺伝子型
坂田 秀勝
1
,
加藤 俊明
2
,
髙本 滋
2
1日本赤十字社北海道ブロック血液センター品質部検査開発課
2日本赤十字社北海道ブロック血液センター
pp.1364-1368
発行日 2012年11月1日
Published Date 2012/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103767
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はじめに
ヒトパルボウイルスB19(以下,B19)は,小児における伝染性紅斑(リンゴ病)の原因ウイルスである.また溶血性貧血患者での赤芽球癆や妊婦での胎児水腫など,多様な臨床症状を呈することもよく知られている.B19の感染経路は主に飛沫感染であるが,感染者の血液中に高濃度のウイルスが存在するため,血液製剤や輸血による感染報告もある.このような血液製剤による感染リスクを軽減するため,わが国の血液センターではすべての献血者血液に対して,B19の抗原スクリーニング検査を実施している.近年になって,B19は3種類の遺伝子型(1型,2型および3型)に分類された.本稿では遺伝子型に関する話題とともに,筆者らが検討してきたB19の遺伝子型検出の現状について述べる.
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