検査値を読むトレーニング 信州大学R-CPC・6
高血圧と浮腫のため入院した50代男性
本田 孝行
1
,
菅野 光俊
2
1信州大学医学部病態解析診断学:1
2信州大学医学部附属病院臨床検査部
pp.528-533
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103565
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信州大学のreversed clinicopathological conference(R-CPC)では,なるべく多くの検査を行った症例を選び,経時的検査値で解析している.しかし,決して多くの検査を行うことを推奨しているわけではない.陰性データも陽性データと同じように重要と考え,できる限り多くのルーチン検査を行った症例を選択してR-CPCで検討している.ある病態において,検査値が陰性になることを知って初めて必要のない検査と認識できる.その結果,必要な検査を最小限に行える医療従事者になれると考えている.また,検査値は基準値内でも動くことに大きな意味があり,動いている検査値を読むことによってより詳細な病態が解明できる.時系列検査結果を読むことができれば,異常値の出るメカニズムを理解できたことになり,入院時のみのワンポイントの検査値であっても容易に理解できるようになる.
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