Laboratory Practice 〈免疫血清〉
CD34陽性細胞の測定システム
國友 由紀子
1
,
奧山 美樹
1
1がん・感染症センター都立駒込病院輸血・細胞治療科
pp.522-526
発行日 2012年6月1日
Published Date 2012/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103563
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はじめに
白血病や悪性リンパ腫など主として血液悪性疾患に対して行われる造血幹細胞移植療法は,年々実施症例数が増加傾向を示している.なかでも末梢血幹細胞移植(peripheral blood stem cell transplantation,PBSCT)は,2010年度から骨髄移植推進財団(骨髄バンク)を介した非血縁者間での移植が開始されており,今後さらに増加していくと思われる.
PBSCTでは,採取細胞中のCD34陽性細胞数で造血幹細胞の採取量を評価する.移植に必要とされる細胞数は,骨髄バンクの基準では患者体重当たり2×106/kgとされ,これに満たない場合には2回目の採取が必要となる.このためCD34陽性細胞数の測定には,PBSCTにおいて採取終了の決定と移植の成功を左右する重要性がある.
CD34陽性細胞数の測定には,フローサイトメトリー(flow cytometry,FCM)を用いるが,シングルプラットフォーム法とデュアルプラットフォーム法の二つの方法があり,それぞれ長所と短所がある.国際血液療法・移植学会(The International Society of Hematotherapy and Graft Engineering,ISHAGE)1,2)や日本臨床検査標準協議会のガイドライン3)では,シングルプラットフォーム法を推奨しているが,検査方法は各施設に委ねられており,統一されていないのが現状である.本稿では,FCMによる二つの測定方法と特徴について述べる.
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