Laboratory Practice 〈免疫血清〉
抗p53抗体の測定意義
加藤 優子
1
1横浜市立大学附属市民総合医療センター臨床検査部
pp.439-442
発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103171
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はじめに
近年,腫瘍マーカー「抗p53抗体」が保険収載された.抗p53抗体は,癌細胞由来抗原を測定する従来の腫瘍マーカーとは異なり,癌細胞由来抗原に対する自己抗体を測定する新しい概念の腫瘍マーカーで,早期から陽性となることが期待されている.乳癌は早期であれば比較的治癒しやすい癌腫で,早期発見・早期治療が非常に重要であるが,これまで早期乳癌に有用な腫瘍マーカーは存在せず,新たな腫瘍マーカーの開発が望まれていた.本稿では,抗p53抗体の測定意義と,乳癌における抗p53抗体の臨床的有用性について概説する.
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