復習のページ
総カルシウム(Ca)値の臨床的評価について―補正Ca
川崎 健治
1
,
菅野 光俊
1
,
野本 昭三
2
1信州大学医学部病院臨床検査部
2信州大学医学部病態解析診断学講座
pp.568-570
発行日 2010年7月1日
Published Date 2010/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102842
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血清中の総カルシウム(Ca)とは?
復習のページということなので,「血清中の総カルシウム(Ca)とは?」から始める必要がありそうである.
人体のCaは成人の場合で総量およそ1kgといわれ,そのおよそ99%が骨にハイドロキシアパタイトとして蓄えられており,残りの約1%のほとんどが骨以外の組織細胞内に,そして約0.1%が血漿および細胞間液に分配されていて体内を循環している.これが血清中の総Caに相当する部分である.ここではin vivoの状態をイメージして話を進める関係から“血漿中のCa”と呼ぶことにする.この血漿中のCaのうちおよそ半分が生理的役割をもつイオン化Ca(Ca2+)で,残りの半分が蛋白結合Ca(組織から組織へ運搬中のCa)とみられている.なお,このほかに炭酸または乳酸など有機酸と結合したCaもわずかに存在するといわれている.なお,赤血球中のCaは血漿中のおよそ1/700ほどである.
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