目指せ!一般検査の精度向上
―尿沈渣検査の精度向上:2―尿沈渣教育―尿沈渣成分の保存とデジタルカメラによる画像の保存
横山 貴
1
,
大沼 栄子
1
1東京女子医科大学病院中央検査部一般検査課
pp.528-532
発行日 2009年6月1日
Published Date 2009/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102464
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
尿沈渣成分は腎・泌尿生殖器をはじめ,全身で起こる種々の疾患を反映し,時に成分自体の存在によって確定診断に至ることもある.したがって,尿中にはく離した細胞と種々の成分の質的および量的なものを評価する尿沈渣検査は,臨床的に有用な検査になり得るものと考える.しかし,尿沈渣検査は永久標本による評価でないことや,変性,崩壊や減少によって検査標本中に同一成分が再度出現するとは限らないため,希少かつ臨床的に重要な尿沈渣成分の場合は,固定液を用いて保存もしくはデジタルカメラによる画像を保存することが重要と考える.
本稿では,尿沈渣検査に携わる人を対象とした教育と臨床的に有用な成分の記録という観点から,尿沈渣成分の固定液による保存とデジタルカメラによる画像の保存,ならびにその活用方法について述べる.
Copyright © 2009, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.